魅惑★ladyの作り方


「…ねぇ、目、悪いの…?」

『え?
あぁ、はい。
それなりに。』


やはり怯えからか、少し早口になる華楠。
馨はぼおっと華楠を見つめる。



「分厚い…よね、レンズ…?」

『キツくしてもらってるので。』

「へぇ…。」


華楠は思わぬ指摘に驚きつつもスラスラと嘘を吐く。
馨はそこまで興味もなさげに華楠を見つめ…視線をお弁当で止めた。



『…?』

「…美味しそう、だね。」


華楠の弁当は特に特徴もなく、一般的なもの。
卵焼きにソーセージ、時には冷凍食品も詰められている。



「…お昼、食べてないや…。」


馨は思い出したかのように言い、腹に手を当てた。
華楠は馨に戸惑いつつもチャンス!と思い言葉を発する。



『食堂で食べてきたらどうです?
私はお金は持ってませんよ。』


まさか、パシリにされるかカツアゲ…!?と危機感をもった華楠は言われる前に宣言しておく事を選んだ。



「…それ、食べたい…。」

『は…?』


 
 
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