【ND第1回】はじまりは君の隣で

「なに」

思わず口からこぼれてしまった言葉に、妹が反応した。

けれども、わたしが、なんでもない、と答えると、彼女も特に気にした様子はなく、今日のお夕飯は何かな、と言った。

わたしはクッションを、そっと机の脇に置いた。

どうして彼は、わたしを好きだなどと言ったのだろう。



*


< 45 / 75 >

この作品をシェア

pagetop