【ND第1回】はじまりは君の隣で

槙は不意に黙って、それは、と言った。

「俺と付き合えないってことか? それとも」

「惚れた弱みなんでしょう」

わたしが唐突に彼のほうを向いてにやりと笑ってやると、彼はきょとんとしたあと、花が咲いたみたいな笑顔になって、参ったな、と言った。

はじまりは、終わりのはじまり。


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