【ND第1回】はじまりは君の隣で




「そっか…よかった」




そう言って、ホッとしたような顔をした龍之介を見て不思議な気分になった。



いつもは全然表情を変えないし。



全然話さないし。




なのに、今はあたしの言葉にあたしの行動に一つ一つ反応して




コロコロと表情が変わる。



「…龍之介」




気づくと、あたしは龍之介の名前を呼んでいた。




龍之介はあたしの方を見て、また優しく笑うと




「んな不安そーな顔すんなよ。」




な?と頭を撫でてきた。




頭の上の手までも、優しくてちょっと怖くなった。





< 9 / 75 >

この作品をシェア

pagetop