ACcess -弥猛-
うーん。

もう一度伸びて、私に目をやる。
「早く行こうよ、ダンジョン。
 本当の目的地はそこよ。」

すっかり当初の目的を忘れてたいた私の腕を引っ張りながら、早く早くとゲートに向かう。


私はこの世界が好きだ。

本当に好きなんだ。

だから、どんな事があっても守り通さなくちゃならない。

それは秩序と正義と平和をもたらす為に。


彼女は剣を一降りして鞘に納める。
「…ふぅ。ちょっと手間取っちゃったね。」
「あら、手を抜いてたじゃないキアロ。」
「失礼ねっ!手加減よっ!」

そういって振り返る。
しかしその顔は嬉しそうだった。
「さ、宝部屋行こう!」
「はいはい。」
私の顔もきっと、嬉しそうなのだろう。


私、他愛のない会話が好き。
なんでだろう。
他の人が見たら、ただのまがい物でしかないはずなのに。

偽物でもいい。
私が本物だと思いさえすれば。

そう、私は本物。
私が本物。

私が守るべきこの世界。


宝部屋の方向をキアロが見つめると、競争ね!と走り出した。

置いて行かれないように、私も走り出した。
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