過ち-いじめ-


「…気がつけなくて…本当にごめんなさい…」



そう言って強く、強くあたしを抱きしめた。



小さく見えるって思ったけど
昔と変わらず、やっぱりお母さんは力強くて大きかった



「…お母さんが、昔言ったよね…正しく生きればいい…って」



あの言葉

今でも間違いじゃなかったって思ってるよ



「…ええ…」


「…正しく生きれなくてごめんね。いじめられちゃって…」



そこまで言った時
お母さんはあたしの台詞を遮った



「謝る必要ないの、生きてくれたら…それだけで充分なの…っ」


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