蜜月 -love is ruffian-【BL】
俺と咲都以外に周囲に人影は無く、道を尋ねようにも相手は咲都だけ。
勇気を出して話し掛けてみれば、咲都は快く案内を引き受けてくれた。
近くで見る咲都は、更に綺麗で。
見れば見るほど、自分と同じ男だとは思えなくなった。
そして見れば見るほど、その姿の虜になっていく感じがした。
こんな気持ちを抱いたのは、初めてだった。
今までそれなりにいろんな女の子と付き合ってきたけど、相手を心から好きになることはなかったし、なれなかった。
だけど、咲都は違う。
俺はあの、咲都の笑顔を見て確信したんだ。
──この気持ちは“恋”なんだ、って。