蜜月 -love is ruffian-【BL】


***


長かった夏休みが終わり、今日からようやく二学期が始まった。


いつものように登校して教室に入ると、なんだかいつもより少し騒がしい。


新学期だから当たり前?


しかし、よく耳を傾けてみると、転校生が来るという話題で持ち切りだった。

可愛い子だといいな、とか、面白いヤツだといいな、とか。

皆、転校生がどんな子なのか想像を膨らませては、盛り上がっていた。


「間宮、お前なんか聞いてない?転校生のこと」


席に着くなりクラスメイトに囲まれて、転校生について質問攻め。

先生からは何も聞いていないし、転校生が来ることはこの教室に来て知ったばかりだ。


「さぁ……。それが、僕もよくわかんないんだ。でも、皆で仲良くしたいよね」


転校生だなんてそんなの、僕としては果てしなくどうでもいいことなんだけど。


そう思いつつも、それを表には出さず、適当に応えて適当に笑顔を見せておいた。


< 14 / 51 >

この作品をシェア

pagetop