蜜月 -love is ruffian-【BL】
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長かった夏休みが終わり、今日からようやく二学期が始まった。
いつものように登校して教室に入ると、なんだかいつもより少し騒がしい。
新学期だから当たり前?
しかし、よく耳を傾けてみると、転校生が来るという話題で持ち切りだった。
可愛い子だといいな、とか、面白いヤツだといいな、とか。
皆、転校生がどんな子なのか想像を膨らませては、盛り上がっていた。
「間宮、お前なんか聞いてない?転校生のこと」
席に着くなりクラスメイトに囲まれて、転校生について質問攻め。
先生からは何も聞いていないし、転校生が来ることはこの教室に来て知ったばかりだ。
「さぁ……。それが、僕もよくわかんないんだ。でも、皆で仲良くしたいよね」
転校生だなんてそんなの、僕としては果てしなくどうでもいいことなんだけど。
そう思いつつも、それを表には出さず、適当に応えて適当に笑顔を見せておいた。