蜜月 -love is ruffian-【BL】
「すみません、清泉(セイセン)学園の寮って、何処にあるんですか?」
顔を上げると、すらりと伸びた長身の、見知らぬ人がそこにいた。
人の外見とかあまり気にしたことは無かったけれど、そんな僕でも、彼は凄く整った顔立ちをしていると思った。
「寮なら案内しますよ。丁度僕、寮に帰るところだったんで」
「ありがとう」
そう言ってにっこり微笑んだ彼と、並んで歩き出す。
それにしても、この人は何をしにここへ来たんだろう。
ここの生徒の兄弟か何かだろうか?
肩から大きな旅行鞄のようなものを提げている姿を見る限り、それは違うような気もする。
「あの、今日はどんな用でいらしたんですか?」
隣の彼の顔を下から見上げ、訊ねた。