蜜月 -love is ruffian-【BL】


「すみません、清泉(セイセン)学園の寮って、何処にあるんですか?」


顔を上げると、すらりと伸びた長身の、見知らぬ人がそこにいた。


人の外見とかあまり気にしたことは無かったけれど、そんな僕でも、彼は凄く整った顔立ちをしていると思った。


「寮なら案内しますよ。丁度僕、寮に帰るところだったんで」

「ありがとう」


そう言ってにっこり微笑んだ彼と、並んで歩き出す。


それにしても、この人は何をしにここへ来たんだろう。

ここの生徒の兄弟か何かだろうか?

肩から大きな旅行鞄のようなものを提げている姿を見る限り、それは違うような気もする。


「あの、今日はどんな用でいらしたんですか?」


隣の彼の顔を下から見上げ、訊ねた。



< 4 / 51 >

この作品をシェア

pagetop