月夜の影
先生の表情はみるみるかたまった。

「その表情からして…お気づきのようですね」

「あなたが…?」

「はい。担当の狭山と申します」

狭山、とっさに思いついた名前だ。

「あの…本当にやってくれるんですか?」

「はい。ただ、条件があります」

「条件…?」
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