防衛要塞都市
「セイル軍曹、ひとつ聞いていいか?」


ミサイルに吹き飛ばされた状態のまま、何も動くものがない映像を眼鏡に映したリーが、静かに言う。


「もし……そうだな、例えば、俺が敵に回ったとするだろ? お前なら、どうする?」


セイルは顔を横に向け、悲しそうな顔で答えた。


「……容赦しません。」


「よし。それでいい。」


太陽が三つ分ほど上った、暖かく、穏やかな朝だった。


黒光りするビルの中、司令室のスクリーンの前で、一人の軍曹が立ち尽くしていた。
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