防衛要塞都市
要塞都市から少し離れた、ただ広いだけの草原だった。


数台のジープが停めてあり、その周りに人が立ち、談笑している。


そこにいる人たちは、全員同じ制服を身に纏っていた。


「それでは、次、セイル上等兵。前へ。」


カシワギが言った。


すると、談笑の声が無くなり、ひそひそ声が聞こえるようになった。


「あのセイル准将の息子らしいな。」


「父親が凄かったとしても、子どもまでもがそうとは限らないだろ。」


同じく制服を着ていた彼は、群集から抜け出し、カシワギの横に立った。


敬礼の後、


「では、どうぞ。幸運を。」


彼女は笑顔で言い、横に退いた。
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