蜜林檎 *Ⅰ*

過ぎ去った時

十七年前・・・

居酒屋「青月」のドアが開き
まだ青年の面影が残る

朔夜、千里、博臣、圭司が
ぞろぞろと入ってくる。
 
彼らは、ライブの後で

とても興奮していた。

「おう、来たか
 ライブの反応どうだった?」

千里は手応えを感じ

自信満々に答えた。

「大成功です」

「レコード会社の人にも
 何人か声をかけてもらえたよ
 連絡するから今度、会社の方
 にも来てほしいって」

「そうか、そうか、ほらほら
 どんどん飲んで食べな
 腹減っただろう?」

「親父さんの料理は
 どれもこれも、うまい」

「サクヤ、あたりまえだ~
 ユリ、酒・・・
 ユリ、何処に行ったんだ
 また、イッキと一緒だな」
 
メンバー、皆で笑い合う。
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