蜜林檎 *Ⅰ*

深い吐息

百合の話が気になった杏は
すぐに樹にメールを送った。

《イツキ
 お仕事中だったら
 ごめんなさい
 
 この間、こっちに
 来てくれてたの  杏》

その時、樹はイベントに向けて
アルバム未収録曲をシングルと
して発売する為に
レコーディングを行なっていた
 
今まさに、声を録音していた。

携帯電話は部屋の外で
バイブ、振動音が鳴り
外で待つ朔夜は、その音に
気がつく。

「はい、10分休憩しましょう」

ボックスの中から、出て来る樹

「サクちゃん、どうだった?」

「今の歌い方の方がいいかも」

「後で、聞かせてくれる?」

朔夜は、樹の携帯電話が
鳴っていた事を伝えた。
 
携帯を開く樹はメールを読む。

「彼女からのメール?」
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