蜜林檎 *Ⅰ*
「でも、イツキは
 いつ気がついたの?
 私とユリちゃんが姉妹
 だって事に・・・
 
 私達は、少しも
 似ていないでしょう?」

杏が以前、マリアにあげた
マッチが樹の元に・・・

「あのマッチは、サクちゃん
 が親父さんにお店の宣伝用
 に作るように進めたんだよ
   
 それから、杏・・・ 
 
 君と、ユリは
 とても似ているよ」

異母姉妹である事に囚われて
いた杏の胸の痞えに

樹の言葉は染み入る。

母のように慕い、大好きな姉
と自分は似ている。

「私と、ユリちゃんは
 本当に似てる?」

「とっても、似てるよ」

「そう言ってくれて
 ありがとう・・・イツキ」
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