声恋 〜せいれん〜
その後リビングで優一くんお手製のダークチョコレートムース(お豆腐が入っているからヘルシーなんだけど濃厚!)をいただきながら、美和さんから『女を磨く方法、男を落とす方法』をいろいろ伝授されちゃった。
優一くんがなんであんなに男ごころ、女ごころに精通しているのもよくわかったし!
「ええ~っ、泊まっていかないのぉ~? いっしょに寝ようよぉ~、ベッドでよしよししてあげるからぁ~」
ほろ酔いのお姉様を残して、わたしは退散することにした。
「ありがとうございます。また来ますねっ」
いじけたようになってる美和さん、かわいい。あ、「甘え上手は床上手ね」って、いかんいかん! なに「床上手」とか言ってんの…わたし…!?
「じゃあ送ってくるからね。ちゃんと歯を磨いて、着がえてから横になるんだよ」
「おじゃましました、ごちそうさまでした!」
ぺこってお辞儀をしたら、優一くんがとなりで、くすりと笑った。な、何よぅ…。
「ふぁ~い。早く帰ってきてね~、あ、いやいや、ごゆっくりぃ~」
ひらひらと手をふる美和さんに見送られて、二人で部屋をあとにした。