僕らはみんな、うさぎ団

~好かれる女~



私は
やっとメールが返せるぐらいに感情が落ち着いき、
成瀬 創二郎さんにメールを返した。


[すみません。


 急にこんな質問をして、すみませんでした。
 また迷惑をかけて本当にすみませんでした。

 実は学校を抜け出してきてしまって、
 今は家にいます。

 変な質問に答えてくれて
 本当にありがとうございました。]


私は、これ以上迷惑を掛けたくなかったので、
このメールで終わるようにするために、
長くしないで、短く、簡潔な文章を送った。


でも、心の中では、このメールが終わらないよう
願っていたのかもしれない。


成瀬 創二郎さんからの新しいメールが着いた時、

私は、迷惑をかけて悪いなぁという感情より、
嬉しいというか、
ワクワクというか、
ドキドキというか、
よく分らないが、とにかく
負の感情では無い物が出てきた。


そんな、
負の感情では無くなった私は
成瀬 創二郎さんから届いた新しいメールを見た。


[何、言ってんだよ!!

 なんかあったら言ってくれって、
 言ったのは俺だよ!!

 迷惑な訳ないだろ!!!


 何かが溜まってて、重いなら、
 全部言ってよ!!

 良いアドバイスできるか分んないけど、
 聞く事はできるからさ!!


 学校抜け出したって、
 
 大丈夫か!?
 外、雨も風も凄いぞ!!]


私は何の得があって、
私にこんなに優しくしてくれるか分らない彼が恐かった。


普段の私は物事をしっかり考えてからしか行動にでない。


だが、

今の私は何も考えず、
訳の分らないまま、メールを打ち続けた。


そして、私は、


送ってしまった…


私が、全ての物から…


コノ世の中から…


拒絶され


否定されている事を。







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