僕らはみんな、うさぎ団

~どうにもならない~



次の日、
台風も過ぎ去り、晴れ渡る青空が気持ち良かった。
そんな一日も約、三分の二が終わり
ようやく、涼しさをみせだした、その時、


「フミちゃーン!!」


学校が終わり、家に帰る途中の私に、女の子には無い低い声、だけど、どこか爽やかで、癒されるような声で私を呼んでいる。


私は、コノ声を何処かで聞いた事があるような気がする。

だが、

私を下の名前で呼ぶ男の人は、お父さんしかいない。

でも、

「フミ”ちゃん”」なんて、この年で”ちゃん”づけはしないし、

まず、こんな爽やかな声じゃない!!

もっと、社会に疲れ果て、日常に希望を抱かないような、低い声をしている。




私は一体、誰だ!?
っと恐る恐る振り向くと。




成瀬 創二郎さんだった!!!




私は昨日のメールの事もあり、恥ずかしいし、どう接すればいいか分らなく、パニクってしまった!!


そんな私に成瀬 創二郎さんは


「フミちゃん、今、家に帰る途中!?」


なぜ、成瀬 創二郎さんが私の名前を知っているかというと、

昨日、メールの最後に名前を聞かれたからだ!


[あのさぁ、悪いんだけど君の名前教えてもらっていいかな!?

 いつまでも君ってのも何か変だし、
 まず、これからずっと名前、知らないってのも嫌だからさぁ。
 教えてくんない!?

 君、恥ずかしがり屋だから何も言わないと上の名前しか教えてくれなさそうだから、先に言っとくけど、

 下の名前も教えてね。
 一応、フルネームで知っておきたいからさぁ。]


 と、送ってきた。


多分もう会わないし、メールもしないから名前なんて知る必要ないのにと思いながらも

面倒な相談にも心良く応えてくれたので断る事も出来ず、

私は教えた。




下の名前で呼ばれるなんて


ミジンも思っていなかったから!!



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