君と、恋
Seventh episode



















がちゃり、と。


玄関のドアが開く。


それと同時に。



















「さつきー!」

















元気のいい声と。


可愛い笑顔があたしを迎える。






















「壱!ご飯食べた?」

















「たべたあ!さつきもたべる?」






















にっこり笑う壱が。


子どもの頃の十夜によく似ている。


ぎゅっと抱きしめながら、


さっきの十夜が頭から離れない。


























「んー、いいや。いらないって言っといて」
























あたしはそう言って、


壱の頭を撫でると


リビングに顔も見せず、


自分の部屋に入った。
























「さつき、ぼくもあとでいっていい?」




















「いいよ。壱、お風呂だけ入っといで?」




















「はあーい!」






























壱が去って行く。


足音がなくなると同時に、


部屋のドアを閉めた。

































「…何よ、もう」






























頭が痛い。


訳が分からない。












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