弟くんと危険な関係!

電話

「ただいま…」


あたしは涙でヒドイ顔。

真っ先に洗面所に向かい、顔を洗う。


リビングにはお母さんと雅也さんがいる気配。


顔を洗って、鏡を見たあたし。
顔を洗っても泣いた跡は残って、誰が見ても泣いていたってわかる。


この顔…誰にも見られたくないな。
どうしたの?って聞かれても…言えないでしょ…?



とにかく洗面所から誰にも見られずに部屋まで行こうと考えた。


洗面所を出てキョロキョロ。
リビングのドアが開いている。
早歩きで行けばバレないだろ!


あたしは家の中ですごい速さで歩く。



「あ、ほたるお帰り!」


お母さんがあたしに気付いたときには、あたしの姿は見えていなかった。



よし、成功!



自分の部屋の前に行き、ドアを開けようとしたとき…。


ガチャ。


隣の部屋のドアが開く。



「あれ?ほたる今帰ってきたの?」



大地だ。
あたしは顔を思いっきり見せてしまった。
< 106 / 223 >

この作品をシェア

pagetop