花とアイドル☆《完》
「まぁそうなるかな〜。

ぶっちゃけ、父さんの息がかかっ
た私立校でさ。

試験はマジメに受けたけど、通う
気とか最初からなかったしね」


「……やっぱり、お仕事が忙しい
から?」


「忙しいのもあるし、仕事のほう
が大事だし。

オレは別に中卒でもよかったんだ
けど、父さんが『何かあったとき
のために、高校までは行っとけ』
ってうるさくてさ」


「そっかぁ」


花乃は、達也さんの気持ちがよく
分かるような気がした。


きっと、若い頃にすごく人気が
あったって、みんながみんな、
一生芸能界で食べていけるわけ
じゃないに違いない。


大きなプロダクションの社長で
ある達也さんだからこそ、そう
いうことを考えずにはいられ
なかったのだろう。
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