花とアイドル☆《完》
でもこうして注意してみると、
耳に入る音も、空気も、キリリと
澄んでいて。


肺のよどんだ空気が一掃される
ような感じで、たしかに気持ちが
よかった。


「やっぱり、東京とは空気が
違うなぁ」


つい独り言のように呟くと、遥も
『そうですねー』と相槌をうつ。


しばらく、森林の空気を楽しみ
ながら、二人は細い一本道を
ゆっくりと進んだ。


5分ほど歩いた頃、


「あ、なんか花も咲いてる。

キレイー♪」


遥が道の脇に繁る樹木を指差して
言う。


花乃もその樹木に近寄り、そっと
花の一つに触れてみた。


赤くて艶のある花びらが美しい。


「ツツジの一種みたいだね」


「へぇ、そうなんですか?

さすが園芸科だけあって、やっぱ
詳しいですね」
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