花とアイドル☆《完》
でも、しばらく耳をすましている
と、やっぱり、階下でかすかに
物音がしていた。



――まちがいない!



どうしようか、けっこう迷った
けれど。


意を決してカーディガンをはおる
と、花乃はそっと廊下に出た。



物音は、今はもうはっきりと、
階段を上ってくる足音にかわって
いる。



ほどなくして。



サングラスをけだるそうにはずし
ながら、拓斗が踊り場に姿を現した。
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