婚約者☆未満

倉本さんはそれらに会釈してこたえながら、スタスタと事務所の奥へ向かう。


着いたところは、支店長室。


開いていたドアから入っていくと、デスクのそばに貝塚さんが立っていた。


あ!ほら、やっぱり!


あたしはやはり貝塚さんが支店長なのたのだと思ったけれど、


貝塚さんは、倉本さんににこやかに微笑みかけると、


「あ、お帰りなさい。
ちょうど、よかった。
急ぎで支店長の判を頂きたい書類があって持ってきたところです」


そう言って、手にしていた書類を倉本さんに差し出したのだった。


< 64 / 270 >

この作品をシェア

pagetop