これが本当の大恋愛
芝生に着いた私たちは、持ってきた敷物を広げて、お弁当を食べていた。


「ねぇ、茉莉子って、好きな人いる?というか宍戸君が好きだったりしないよね」

『ゴホゴホっ……』

いきなり知美がそんなことを言うから、せっかくのレモンティーが台無し。


「好きな人なんて、いないよ。というか私が大樹を好きになるわけないじゃん!」

「そうだよね」

「うん。絶対ありえない」

あれっ?

もしかして、知美。大樹のこと・・・


「だよね。茉莉子には、幼なじみの永山君がいるもんね〜」

「はぁ?違うから!」

本当やめてほしいよぉ。


どうして・・・

私=賢也になるわけ?


この時の私は、なんだか、からかわれているような気がしてならなかった。

だから、本当は、そういう風に言われるのが嫌だったんだ。
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