君に愛の唄を
蓮がボサボサの髪の毛をかきあげた。
──どきんっ…
不意に見えた、その時の蓮の横顔がかっこよく見えた。
でも、
陸の方が、かっこいい。
「なあ…」
「ん?」
「放課後、付き合ってくんね?」
「はぁ!?」
放課後、付き合えって…
放課後なにすんのよ。
てか、その前に……
「絶対に嫌だ」
「なんでだよ。ちょっとぐらいいいじゃねぇか」
絶対に嫌だ!
放課後に蓮と一緒にいるところなんて見られたくないし。
誰に?
……陸に。
偶然でも、会うはずもないのに、陸の顔が浮かんできた。
……あり得ない。
「パフェおごるから…」
「いいよ…」
「マジで!?お前って食いもんに弱かったのか?」
別に、そんなんじゃない。
陸を忘れたかったし、なぜか意地を張って言ってしまった。
何で意地を張ったのかもわからないけど…