極彩色のモノクローム


心電図の音が

耳障りだ。


独特のニオイに、

糊のききすぎたシーツ。


病院だと、すぐにわかる。


どうやら私は、

生きているらしい。


呼吸が苦しくて、

深く吸い込んだら

噎せた。


「…目が、覚めましたか?」


問われて、私はゆっくり目を開けた。


白い天井。


明る過ぎて真っ白に染まる室内。


覗き込んでくる、女の人。


「自分が何をしたかは、覚えていますか?」


問われた私は、小さく頷いた。


「サーファーの方が、助けてくださったんですよ。そんな弱った肺で。水を飲み込んだらどうなるか、知っていたでしょう?」


私は、もう一度頷いた。


責められている。


でも、不快ではない。


腫れ物を扱うみたいなのは、
あまり好きではないから。


「わかっているなら、いいんです。あなた、名前は?身分のわかるもの、何も持っていなかったから。」


言われて、

私はナースの顔を見た。


「横浜の…市立病院…。村西センセ…。」


私はそう言って、目をつぶった。


他の事は、面倒だからだんまりを決め込む事にした。


< 118 / 173 >

この作品をシェア

pagetop