極彩色のモノクローム

暫くぼんやりと携帯を見つめていた私は、
一つ息を吐き出した。


馬鹿らしい。


私は立ち上がって部屋に入ると、
ソファに鞄を放り投げた。


口の開いたままだった鞄から
封筒が飛び出して、

お札が床に散る。



私はそれを横目に見て、

ベットに倒れ込んだ。



とにかく寝よう。


寝て、
目が覚めたら、
メールをしてみよう。


私はそう思って、

布団に包まった。


冷たい布団なのに

心は暖かい気がした。



人間て単純な生き物だって、

馬鹿みたいだって、

そう思いながら、

私は、眠りの淵に落ちていった。



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