極彩色のモノクローム
8:生き地獄。

久し振りに開いた門は、

キィと

嫌な音がした。


チャイムを鳴らす手が
震えた。


「おかえり、奈津。」


出迎えてくれたのは父。

私に電話をしてきたのも、父。


「さ、上がりなさい。」


言われて、私は家の中に入った。


居間には、母と

それから、

知らないおばさんと男がいた。



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