街で君の唄を聞いた


「…何だ…?…唄…?」


♪私は答をいつも探す
 目的が分からないから
 だから自分が分からない
 何の為に生きてるのか
 死んでもいいとは思えない

 眼から流れるものは何
 私はこれを知っている
 貴女のためにあるんだと
 気付いたのは今だけど

 風が吹くと木々が泣く
 誰かが泣かしたんだと
 悟ったのはどちら様
 木が泣くはずがないと思ってた
 だって木は人じゃないから
 そして私はいつも泣く
 泣いてた木々の側で
 誰か私を見たのは
 ついさっきの事でした

 「君は一体誰なんだい?」
 私は答えられずいる
 君は起こる様子は無く
 寧ろ私に笑いかけた

 ボロボロの私を見て苦笑い
 差し伸べられた手は綺麗
 男の人とは思えなかった
 笑顔まで綺麗だったから
 それが赤い糸ならば
 私は今満面の笑みです

 「好き」その二文字が
 なかなか言えなくて
 毎日喋っても
 それだけは言えなくて
 言えたとしても
 答が怖くて

 数日後
 君は手に抱えた物と一緒に言った
 「君が好きです」と
 照れながらの顔は
 自分も同じなんだろう




「…上出来だな。安心しろ。後は大丈夫だ」




やりきっ…た。


唸り声なんか聞こえないし、人が苦しむ嘆きだって聞こえない。



唄に力があったのか…。

日々訓練しなきゃ駄目っぽいな…。



「レイヒちゃん…」

「ジュマルド皇子!ヴィーノとベルアーノ王はどこですか!?」

「大丈夫大丈夫。もう収まった。ベルアーノは不死身ではなくなってしまったけど、当分は生きてるだろうね」

「は?」



いやいやいや。何それ。

400年以上生きてるってのに…!!

また更に生きるってのか…!?
人の道かなりはずれてんじゃねーか…!





「冷灯」





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