愛する意味
翌朝、パパとママは昨日のことはすっかり忘れたみたいな笑顔で
『おはよ』


『昨日は門限破ってごめんなさい』と素直に謝りました。


少し遅めの朝食を食べていると電話が鳴りました。


ママが電話に出ました。
『はい、藤沢でございます。』


『…少々お待ちくださいね、いま変わります』


受話器を舞にむけて
『舞、電話…奥野さんて男性の方だけど…』


『もしもし?舞ですけど…』


内心、奥野さんて誰?って感じでした。


『俺…涼太だけどわかるよね?』


舞はびっくりしながらも『わかるよ、涼太は奥野さんて言うんだね』


そう、名字は聞いてなかったの。


『かけるの勇気いったんだぞ。暇な日あったら教えてよ!舞と2人で会いたいんだけど』


舞はまいあがりました!だってデートのお誘いだもん!

すぐに
『今週の日曜日なら大丈夫、平日は塾とか色々あるからごめんね』


『わかった。じゃあけといて、横浜駅に10時でいい?』


『うん、楽しみにしてるね。じゃ日曜日』


電話を切った。


振り返ったときのパパとママはこわい顔しながら『誰?…』と一言。

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