私の彼氏君
        ~第1話~

アルバムには必ず君が写っていた
みんなの知らない君の事だって、俺だけが知っていた

あの頃の俺は、それだけで凄く嬉しくて、毎日がとても幸せだったんだ


「春風帰るよ!」

いつからだろうアイツが春風と、俺を苗字で呼ぶようになったのは

いつからだろう幼なじみという関係が、苦しくなったのは


「なにぼーっとしてんの?」


いつからだろうコイツを、幼なじみ以上に思い始めたのは……………




「……何ってお前のこと考えてたんだよ。
ねぇ知ってた?
俺お前の事好きなんだよ
幼なじみとかじゃなくて、一人の女の子として」


真っ白な君の頬が赤く染まっていく
君の綺麗な瞳から、溢れんばかりの涙が零れ落ちる


君の全部が、俺を虜にしていくんだ





【幼なじみ】

「私も好き……春風のことが好き!」

「知ってるよ
お前の事だったら何だって知ってる」
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