飴色蝶 *Ⅱ*
ずっと、こうしてお前の寝顔を
見つめていたい。

本当は、菫に極道をやめて一緒
に逃げようと言われた時

正直、それもいい

・・・そう、思った。

厭きる程、お前の傍にいて
お前を見つめて安らぎながら
毎夜眠りに付くことができる
 
柵(しがらみ)から

やっと抜け出せるとも・・・

俺は、思った。

だけど、逃げた先にいったい
何がある?

仲間を裏切った俺は、一生
追われる身となり

いろんな町を菫と共に逃げ惑う
  
安らぎなど、どこにもない。
  
疲れ果てた二人の姿が見える。

その先には、きっと

絶望だけが待っている。
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