飴色蝶 *Ⅱ*
朝が来れば、また

庵に逢えなくなってしまう。

寂しい想いが、菫の言葉を
詰まらせる。   

「毎日、欠かさず電話するよ」

菫は、頷いた。

今度は、庵が菫に覆いかぶさり
彼女を見つめる。

菫の瞳に溢れる涙に

優しいキスをした。

そして、彼女の鼓動の音を
聞きながら、瞳を閉じる。

愛しい庵の頭を、菫は
優しく何度も撫でる。

翌朝、庵は、この部屋を出て
行く為にブーツを履き
玄関先に立つ。

「危ないから、見送りは
 ここでいい
 絶対に、外に出てくるん
 じゃないぞ」

「うん」

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