飴色蝶 *Ⅱ*
三人は、何ともいえない嬉しい
気持ちに胸をドキドキさせなが
ら、病院までの道のりを会話を
楽しみつつ車を走らせて向かう

「そうだ、スミレ
 病院の帰りに、うちに寄るで
 しょう?
 ほら、イオリさんの件で
 スミレの住まいが変わったり
 で、何かと忙しくて、例の話
 あのままになってたじゃない
   
 部屋には、大きな荷物も
 置いちゃったし
 引っ越したばっかりで
 散らかってもいるけれど
 間取りとかの確認ならできる
 から見てみるといいよ」

運転しながら、幹生は言う。

「あのさ、今から行く病院に
 通う事になるんだよね
 それなら、確認も何も
 住まいはもう、我が家の
 ご近所で決まりでいいんじゃ
 ないの?」

「本当だね」
    
「本当・・・」

幹生の言葉に、答える菫と雪乃
の声が重なり三人は笑い合う。
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