飴色蝶 *Ⅱ*
「スミレさん、ここにいては
 危険です、さあ
 あちら側へ行きましょう」
  
「えっ、でも・・・・・・」

庵の姿を探して、ホテルの
入り口付近を見た菫の足が
止まる。

「スミレさん、止まらないで
 さあ、行きましょう?」

頑なに、歩く事を拒否して
その場から動かない菫。

要は、気がついた。

彼女は、動かないのではない

・・・動けないのだという事に

コツコツと響くヒールの足音が
二人に近づいて来る。
 
そして、音は消えた。

「カナメ、待たせたな」
 
聞き覚えのある、その声に
凍りつく二人。 

幹生は車を、もう一度
Uターンさせて、要の車の後部
少し離れた場所に停車する。

「ミキちゃん、ちょっと
 あれ・・・」
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