飴色蝶 *Ⅱ*
「酔った勢いとは言え
 余計な事を言った
 俺が悪いんだ」
 
「ユキは、真剣に彼を
 愛していた
 それを貴方に黙っていたのは
 いけない事かもしれない」

ある日の、幹生の言葉

『愛人なんかしてたの?
 
 お前、最低だな』

この言葉が二人の喧嘩の
原因となる。

「ミキオさんの意見も
 分かるけど
 どうしようもない想いが
 あるんだよ
 
 もう、過去の事だもの
 早く仲直りしてね
 ユキにはあなたが必要だもの
 ミキオさん
 もちろん、あなたにも」

「ああ、そうだね」

エレベーターが止まり
先に降りる菫と浬。

続いて、幹生が降りた。

「スミレちゃんも忙しいと
 思うけど、また
 時間がある時に、ゆっくり
 ユキの愚痴、聞いてやってよ
 頼む」
< 299 / 410 >

この作品をシェア

pagetop