飴色蝶 *Ⅱ*
菫と彼女が、酒に酔った
庵の中で重なる。

ハンカチが床に落ちる。

「すみれ」

庵は、みんなが見ている前で
彼女を抱き寄せた。

「逢いたかった」

その言葉を聞いた、麻子は
菫と庵の関係に気がついた。

やっぱり、庵は菫が好きだった

・・・・・・

「イオリったら、酔っ払って
 彼女は、菫じゃないわよ
 ・・・・・・
 スミレは、この私」

みんなは、笑い合う。

庵は、彼女からそっと離れた。

「ごめん」

「いえ、組長さんに
 抱きしめられて
 私、とても嬉しかった」

そう話す彼女は、菫じゃない。

菫の幻を、この腕に抱き

ほっと安心する。

こんなにも情けない俺で

いいのか?

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