飴色蝶 *Ⅱ*
この半年間、庵の事を忘れた日
は、たったの一度も無い。

けれど二ヶ月が過ぎた頃、庵と
逢えなくても、平気な私がいた

庵と別れた頃の私は、何もする
気が起こらずに塞ぎ込んでいる
事が多かった。

何もしたくない

・・・したくないよ。

そんな私に、任された仕事は
山積み。
  
今よりも、もっと忙しい
仕事内容と向き合いながら
毎日、時間に追われる日々を
送っていた。
  
その忙しさが、救いになった
のかもしれない。

仕事に没頭する事で、貴方へ
の溢れる想いを、私は抑える
事ができた。

そして私は、また以前のよう
に、一人で過ごす時間を
楽しいと思えるようになり
限られた時間を好きな事に
使い、仕事に必要な資格を得る
為の勉強にも、取り組みながら
毎日を、一生懸命に生きて来た
  
イオリ、貴方の事だけを考えて

暗く沈んでいた私は

今はもう・・・どこにもいない
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