飴色蝶 *Ⅱ*
「敵の組長がどうなろうと
 お前達には、何の関係も
 無いはず、それなのに
 ・・・何故だ?
 なぜ、奴を助けに来る

 まっ、もともと
 こうなった経緯には
 アンタと組長の間で
 交わされたある事柄が
 関係しているのだが・・
 
 そう、先代を殺したのは
 貴方ではなく会澤組組長
 ホソヤ アラタ
 
 さあ
 本当の事を聞かせてくれ
 俺の他にも、こんなにも
 聞きたがっている連中が
 いる」

男達の目線が一斉に、庵に
向けられた。

「ここにいる連中は皆、親分
 を殺した、アンタのことを
 心底憎んでいる
 今この時、真実を話さなけ
 れば、お前はここから
 生きては出られない
 
 さあ、聞かせてもらおうか
 真実を・・・」

そこへ、新と要が連れて
こられた。

二人とも、長時間の暴行と
詰問に疲れ果てた様子で
足もとが覚束(おぼつか)なく
顔は、腫れ上がっていた。
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