飴色蝶 *Ⅱ*
要に背を向けて、庵は歩き出す
そして庵が、右手を上げて
二度振るとエンジンの音が
聞こえた。
二人は、別れた。
ドアの前、菫は困った表情を
浮かべて誰かと話をしている。
その相手は、仮釈放の身である
庵を指導する保護司である。
そう、今日は面接日。
庵に連絡を取る事ができず
会えない事に疑問を抱いた
保護司に、菫が一生懸命に
事情を説明しているようだった
瞳を潤ませて
今にも泣き出しそうな表情で
困っている、菫
・・・愛しい、あなた。
「すみれ、ただいま」
「イオリ?
・・・おかえりなさい」
彼女の瞳に、涙は溢れ
頬を伝う。
彼女を泣かせたのは、この俺。
そして庵が、右手を上げて
二度振るとエンジンの音が
聞こえた。
二人は、別れた。
ドアの前、菫は困った表情を
浮かべて誰かと話をしている。
その相手は、仮釈放の身である
庵を指導する保護司である。
そう、今日は面接日。
庵に連絡を取る事ができず
会えない事に疑問を抱いた
保護司に、菫が一生懸命に
事情を説明しているようだった
瞳を潤ませて
今にも泣き出しそうな表情で
困っている、菫
・・・愛しい、あなた。
「すみれ、ただいま」
「イオリ?
・・・おかえりなさい」
彼女の瞳に、涙は溢れ
頬を伝う。
彼女を泣かせたのは、この俺。