飴色蝶 *Ⅱ*
「初めておまえに会ったあの日
 俺は、おまえに惹かれた
 俺は、スミレ、おまえが
 ・・・・・・」

「やめて、言わないで
 
 何も聞きたくない」
 
「おまえが好きだ」

やめて・・・

貴方の告白を聞いても
私は、何も感じない。

私の心は、動かない。

「お願い、この手を放して」

「俺は、この手を放せない」

新の腕に抱かれたまま
身動きひとつ取れない菫

次第に抵抗する事に疲れた
菫は、彼の胸に身を委ねた。

もう・・・
 
どうでもいいかもしれない。
 
どんなに庵を想ってみても
もう二度と、彼には逢えない。

もう、どうでもいい。

菫の瞳から、綺麗な涙が
一粒、流れて落ちた。
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