~秘メゴト~
 ふたりはお互い肩で息をしつつも、繋がったまま、キスを繰り返していた。


 姫乃にとっては、信じられないほどの甘いひとときだった。



 このキスだけで、もう死んでもいい……。



 キスを続けながら、有は姫乃の胸を優しく撫でている。

 そして、繋がったままの腰を再び緩やかに踊るように動かし始めた。


「せんぱい…?」

「黙って」


 有は深く舌を絡める。


「んっ」


 腰の動きが確かなものに変わってくる。


「ふぅっ…んっ」


 有の口唇が姫乃の胸に滑り降り、強く吸い上げた。

 左胸の上に、朱い花びらが刻まれる。

 首筋にも。

 有は姫乃の身体中に、独占の証を刻み付けていった。


 そして、静まり返る格技場には、またもやふたりの身体のぶつかり合う音が谺する。


 姫乃は乱れに乱れて、有にしがみつく。


 ふたりは、どうしようもなくお互いに溺れていった――…。





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