~秘メゴト~

桜の森

「ひめのぉ、一緒のクラスだよ!!」

 瑠璃がばんばんと姫乃の肩を叩く。

「…うっ…わー、ほんとだ。やったね瑠璃!」

 姫乃と瑠璃は手に手を取って、ぴょんぴょんと跳び跳ねて喜ぶ。

 それもその筈。この二人は近所に住む、幼稚園前からの幼馴染みだが、これ迄同じクラスになったことが一度たりとてないのだから。

「嬉しいね〜瑠璃ちゃんっ」

「嬉しいねっひぃちゃ〜ん」

 ふたりはこれから一年間のお城となる1年B組の教室の窓辺に立ち、ニタニタと笑い合い乍ら、外に広がる桜並木を眺めていた。







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