‐奏‐ kanade


そして奏鈴は立ち上がって

「あたし、歌う」

いきなりそう言った。


「え…ここで?」
ここは病院の中庭。
大きい声をだせば、相当響きわたるだろう。


だが迷いのない目で頷く奏鈴に俺は負けた。


「あたしが生きてるって、歌うことで証明したいから」


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