恋春


握った紗奈の手は熱かった。



「…紗奈…ありがとう」



俺は紗奈を見た。



紗奈は顔を上げずに頷いた。



「…顔…見せてよ」



立ち止まって言った。



「ダメ」


「…なんで?」



俺は紗奈の顎を上げた。



「や…」



紗奈の顔は赤かった。



…そしてこの後から紗奈の態度がおかしくなったんだ。



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