軌跡
 終電も近づき、賢介は真弓を送り、秀樹は里美と帰路に、奈々は少し飲み過ぎたのか、友達の家に泊まらせてもらうこととなった。残された太輝と睦也は、睦也の家で飲み直すことにした。このまま家に帰ってもお互い一人だ。それならば、男二人で朝まで飲み明かしたかった。
「なぁ睦也、奈々ちゃんだっけ? いい子だな」
 西小山の駅に着き、駅前のコンビニで買った缶ビールで乾杯したときのことだった。
「気にいったのか?」
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