軌跡
 四人が池袋のライブハウス近くの居酒屋に集まったのは、八時を過ぎた頃だった。ほぼ一ヶ月ぶりに顔を合すのは、どこか照れ臭かった。そして、どこかホッとしていた。
「ごめんな、急に呼び出して。そして一ヶ月近くも、迷惑をかけて」
 睦也は三人に対し深々と頭を下げた。その間の三人の苦労を思えば、いくら頭を下げても足りない。それでも、そうすることくらいしか出来なかった。
「別に気にするな。おれが決めたことだし」
 賢介の言葉に同意するように、太輝と秀樹が頷いた。
「ありがとう。みんなのお陰で、いろいろ整理することが出来た。今日はその報告のために、みんなに集まってもらったんだ」
 三人は頷くだけで、次の言葉を待った。睦也はジョッキのビールを一口含み、口を開いた。
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