万里小路ワールド
作品の中にある宝物、それは一つのセリフだったりする。
作品の中にある、一つのセリフ。

そのセリフが、書きたいために作品を書いた。

なんて言うとカッコいいんですが、実は書いているときに、自然と浮かんだ言葉が、あまりにもカッコ良かったとか、決まってしまったというのが本当ですね。

例えば『ねえちゃん』における決めセリフ。

「おい、だらしないな。男だろ。そんなことで泣くな」

このセリフ無くしては、この作品は語れないのですが…。

その他にも色んな作品に、作者大満足のセリフが散りばめられています。

例えば『ファンレター』の中で上和田編集長が言った言葉。

「編集者は作家のファンにならなくちゃあ、出来るものではない。だがファンだからといって全ての作品が好きになるとは限らない。好きな作品もあれば、この作品は肌に合わないという作品もあってしかるべきだと俺は思っている。本音を語れば、作家が怒るのではないかと、形式的にファンを語るのでは、肚の内を作家に悟られてしまうんじゃないかな」

これは小生の作品の中でも、一、二を争うセリフ回し。

書いていて、ちょっとカッコ良すぎたかななんて…。

ナルシズムに浸ってしまったセリフです。
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