サクラノコエ
何度も浮気をする俺に腹を立て、ヒステリックに怒る美優に逆ギレした俺は、思わず

「ギャーギャーうるせぇな! そんなんだから、浮気したくなんだよ!」

と、謝るどころか開き直ってしまった。その結果がこの有様。

「あんたなんか変な病気もらって死ねば! もう二度と連絡してくるな! バーカ!」

美優はそう俺に吐き捨て、俺らのケンカを面白そうに見ているギャラリーをかき分け、ズカズカと凄い勢いで坂を下って去っていった。

こういうとき、去った者勝ちだとつくづく思う。左頬を真っ赤にしてポツンと一人残された、俺に向けられる好奇の目が痛い。

ナンパに有利な185センチある長身も、こんなときは邪魔だ。身の隠しようがない。

こんなことなら、牛乳の摂取をほどほどにしておくべきだった。と、いまさら後悔したところで仕方がない。
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